べくんのノルウェー留学日記

CLASS REVIEW VOL.3 [Strategy]

CLASS REVIEW VOL.3 [Strategy]

FALL SEMESTER REFLECTION3: Strategy

遅くなってしまいましたが、今期3つ目の授業「Strategy」の振り返りをしていきます。

この授業は、評価がグループによるプロジェクトのプレゼン+レポートだったので、鬼のように楽だった反面、あまり学びを得られた実感がない授業でした。

いや、否。グループワークのしんどさを身を通じて実感しました。そういう意味で学んだことは大きいかもしれません。

実際この内容は経営戦略論と同じらしく、経営に関する知識が学べる他、コンサルチックなことも学べて面白かったと思います。何よりノルウェーのスタートアップ企業を相手にプロジェクトを行うので、やってることだけ見たらある意味立教BLPの強化版かもしれません。

興味ある人は読んでみてください。

先に授業の内容以外について書きます。

 

Sildr: ノルウェーのスタートアップ相手に提案

毎学期ごとにいくつかのノルウェーのスタートアップとコラボしているようですが、今学期は2つの企業が協力してくれたみたいです。自分たちの班では「Sildr」という企業とコラボしました。

詳しくはSildrの記事にあります。ノルウェーの綺麗な水を生かして、街中や公共スペースにモダンな水飲み場を作る、というのがメイン事業で、収入はその水飲み場を生かして広告プラットホームにするとのことです。こんな感じらしい(載せちゃダメだろうけどまぁいいや)。

お題は特別決まっておらず、SCQA(Situation, Complication, Question and Answer)の分析のもと、メインで解決すべきSildrの問題を特定しました。Sildrには直接インタビューをしたり今の状況などを資料でもらっているのでだいたいみな同じような課題設定になります。ちなみに「どのようなマーケット戦略のもとオスロの市場に進出するべきか」というのが大半のグループだったように思えます。

基本的に授業とリンクしているのは分析のところがメインで、そこから先は一部しか使えそうな理論がなかったので、やっててこれでいいのか感が凄まじかったです。

外部分析ではPESTELとPoter’s Five Forcesを使いました。これらを行うことでターゲットとする市場全体および業界の分析ができます。また内部分析ではVRIOやSWOT、TOWSを使いました。これらは組織の強みや弱み、そこから目指すべき方向性は何か、といったことを網羅的に分析することができます。まぁ今更感あるけど、日本いる時に経営戦略論もとってなかったしようやくちゃんと学んだような気がします。

その後はシンプルに4P(Product, Place, Price, Promotion)を使ってマーケットにどう進出するかを提案。日本にいた時に取っていたMarketing Management in Japanよりあっさりしてる提案な気がしてしまうけど、まぁよいでしょう。

このマーケット戦略、今回2段階に分けて提案しました。最初にLean startup stage、そして次が実際に進出するという流れです。最初の段階は名前がしっかりついてるだけで、要はプロトタイプを市場にちょこっと出して試してみるというもの。Wikipediaにもしっかり載っています。

そんな感じで、あっさりと提案が終えたコースでした。ちなみに先生の評価は悪くなさそうです(笑)

 

授業を受けてみて

正直この授業は今期取った中で最もモチベの低い授業でした。なぜなら

・シングリッシュが苦手すぎる

・授業がつまらなすぎる

・評価方法が簡単すぎる

という3つが重なってしまったからです…笑。まぁ文句言うなって話なんですけども。

 

グループメンバーのほとんどが正直すごく苦手でした。ごめんなさい、こっからちょっと愚痴です。ネットに愚痴書いてごめんなさい。だけど”辛かった思い出”と称して書きたい。書きます。

グループは6人中4人シンガポール、1人が中国で、シンガポールの4人は本当に冷たかったんです。身内ネタばかり話されて我々2人はポツンと言う感じだし、なんか話がそれた時とかも「今グループワークだからその話はやめよう」とすぐ話を戻してしまう。確かに正しいんだけど、あまりにも機械的すぎてちょっとピリピリした感じは否めなかったです。

そして何より、シンガポール人の英語がものすごく苦手。ごめんなさい一括りにして。だけど本当に苦手。なんか英語に聞こえないんですよね。例えば今回水飲み場=Water Fountainという言葉をよく使ったんですけど、普通の発音だったら「ウォターファンテン」とかそんな感じなのに、彼らは「ウォッタファッテッ」みたいな感じでやたらと小さいツが入るんです。あああごめんんさい、でも本当に聞き取りにくいよ…。

その結果何言ってるかわからず、なりたくもないのに指示待ち人間と化してしまったわけです。

 

この時点で悔しいんですけど、何より1番悔しいことがおきました。自分がやったことを全て変えられてしまうんです。なんと自分が得意なパワポさえも(涙)

話し合いで貢献できないからせめてスライドだけは!と思って渾身のスライドを作ったのに、「全体のデザインに合わないからちょっと変えるね」と言われどんどん変わっていく…しかも文字が多くて見にくい…(涙)レポートも文字数減らすために変えるねと言われ隣でどんどんDelete&Paraphrase祭りが始まる…(涙)自分の英語力が低いことはわかっているしおそらく本人は良かれと思ってやっていると思うんだけど、いわゆるBLでやった”ワンマンプレー”感が強く、どんどんどんどんやる気をなくしてしまいました。自分は絶対こういうことしないぞ。そう誓ったグループワークです。

 

授業も内容的には知っていることが多かったし、むしろ教科書読んでるだけで十分なくらい中身薄い授業だったのであまりいく価値を見出せませんでした。実際受講数は120人前後いるはずなのに、最後の方授業に来てたのは30人くらい。ゲストとして呼ばれたアクセンチュアのやり手ナルシストサラリーマンも萎えてました(笑)

 

そんな感じだったので、この授業は総合的に満足いってないです。ただ経営に関する基礎的な知識をたくさん学びたい人、実際のスタートアップ相手に課題解決プロジェクトしたいという人にはおすすめかな〜という感じです。

 

愚痴が多くなってしまいましたがこの辺で。

あとは授業の内容1万字くらい下に書いてあるので適当に読んで見てください。ではでは。

 

経営戦略に関することを一通り学びます

この授業はStrategyという名前の通り、企業の戦略の決め方について学んでいきます。経営学部の皆さんならおなじみの外部分析、内部分析を習ったあと、経営戦略について広く扱っていきます。本当に様々で、授業では大企業からスタートアップまでカバーしています。

ちなみに教科書は『Fundamentals of strategy』というもので、わかりやすくいい教科書でした。

 

第1章:外部分析|The environment


外部分析は主にmacro/micro-environmentと呼ばれるマクロ/ミクロ環境分析の2つに分けて行います。マクロはみなさんおなじみのPEST分析、もしくは広げてPESTEL分析が当てはまります。

ミクロではPoter’s Five Forcesによる業界分析や、Strategic Group(同じ業界内でも同じような戦略を取っているグループに分けて分析するもの)、Industry Life Cycle(プロダクト・ライフサイクルのような産業全体の栄枯盛衰)、Market Segment(ユニバーサルかニッチか)、Blue Ocean(ブルーオーシャン戦略)などを取り扱います。

以下の図に、どのような時にどのフレームワークを使うべきか書いてあるので参考にしてみてください。

photo by pyramidna.wordpress.com

外部分析はOrganizationを除いた上3つまで。

とりあえず迷ったらこれ通りにやっていけば大きな間違いはないはずです。

外部分析なしには価値のない提案にしかならないのでおろそかにしてはいけない部分です。

 

第2章:内部分析|Strategic Capabilities


続いて内部分析。ここでは”Strategic Capabilities”という単元に置き換えられています。

最初にStrategic capabilities(組織能力、例えば物的資産、金銭的資産、人的資産)について見ていき、続いてVRIOSWOT分析TOWS matrixを使って組織が持つ強みと弱み、それを元にした解決策の方向性を見出していきます。

まずStrategic Capabilitiesに関しては、組織が持つリソースをもとにしてDynamic Capabilities(適切な日本語訳がないけども組織の総合的能力)を見ていきます。この分析は3段階あって、①Sensing(市場や技術の調査による機会の発見)、②Seizing(機会の活用)、③Reconfiguring(組織内の資産などの活用の見直し)によって行われます。ここから組織が持っている強みやすべきことが見えるわけですね。

続くVRIOでは、Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Inimitability(模倣困難性)、Organizational support(組織力)の4つの指標から組織が持つ様々な特徴を見ていきます。これら全てに対してYesと言えれば持続可能な組織の強みと言うことができるわけです。グッドビジネスの授業でやったかな?

photo by managementmania.com

見てわかる通り、経済価値があり、希少性も高く、真似もしにくく、組織的にバックアップがしっかりしているものほど長続きする強みとなるわけです。まぁこう言われてもわかりにくいと思うので、スタバのこの例を見てみてください。

photo by managementmania.com

例えばVにしか当てはまらないもの、1番上のWifiを見てみましょう。

Wifiはだいたいどのカフェにもあるので希少性が高いとは言えません。よってVしかつかないわけです。

一方でSCRのブランドイメージはそう簡単にできるものでもありません。よってVRIがつきます。一方で組織としてそれを全面で押し出すほどのサポートはないためOはつかないわけですね。

では1番下の枠で囲われている部分を見てみましょう。これを見れば一目瞭然…!と言いたいところですがそうでもないやつもありますね(笑)ただスタバだけが持つ独自の強みとして言えるもの、例えば会社全体としてのリーダーシップ、ビジョンなんかはスタバの強みとして言えると思います。

このようにVRIOを行うことで、組織が持つ様々な特徴のうちどれが本当の強み=コア・コンピタンスかを知ることができるわけですね。

 

最後のSWOTはこれまでの外部分析、内部分析の掛け合わせです。大事なのはSWOTで分析を整理したあと、TOWS matrixを行うことです。これは、強み×機会、強み×脅威、弱み×機会、弱み×脅威の組み合わせを考えることにより、それぞれの状況に対する分析と解決策の方向性を見つけることができるというもの。分析を踏まえた上での解決策の方向性を示すのにはもってこいですね。

 

ここまでがだいたいの外部、内部分析の流れです。

 

第3章:組織的戦略|Strategic Purpose


ここまで来てようやく組織のミッションやビジョンなどを考えていきます。繋がってはいますが、先ほどまでの分析とは少々違います。

ここでいう戦略とは、主にCorporate governanceStakeholdersBusiness ethicsCultural contextの4つの要素が絡んでいます。

photo by www.globalspec.com

Corporate governance(コーポレート・ガバナンス)では、Ownership Models(経営者は主に誰であるか、私的か公的か、スタートアップかファミリービジネスかなど)、Governance Models(株主を持つ株主優先のシェアホルダーモデルか、企業の中の人なども含め広い意味で利害関係者全てを対象とするステークホルダーモデルか)などを見ることで、企業の戦略の方向性を見ます。

続くStakeholders(ステークホルダーの分析)では、ステークホルダーを経済的、社会的/政治的、技術的、公共的グループに分けそれぞれの関係性を確認していきます。その後ステークホルダー・マッピングを行うことでどれだけその影響力があるのかを整理します。

photo by www.stakeholdermap.com

これを見てわかる通り、Key playerは影響力も企業への関心度も高いため企業にとって大事な存在です。一方その左の層は、まだ影響力は大きいけれどあまり関心を持っていない人たちなのでポテンシャルがあるわけです。そのためKey playerになってもらうよう彼らの需要を満たすことが重要になってきます。

あとはCSRもStrategic Purposeを考える上では重要です。どれだけ企業倫理を大事にし、どのような部門でCSRとして貢献していくのかということが書かれています。

最後にCultural context(組織文化)。石川ゼミで学んでる内容は、このフレームワークでいくとここに当てはまるわけですね。まさにゼミでやっている通り組織のおける文化や体制が戦略に与える影響を考えていきます。このときcultural webというフレームワークが活かせるようです。もちろん色々なフレームワークがあると思います。

photo by www.managementcentre.co.uk

 

さて、おおまかにこの4つの要素が絡んで最終的な組織のミッションや方向性が決定されます。この章は他と比べて比較的ざっくりとしてますね。

次からは経営戦略に移ります。教科書の章としては5つぶんあるので長くなると思いますがお付き合いください。

 

第4章:経営戦略|Business Strategy


戦略を考える時、企業全体の戦略か1ビジネス単位の戦略か分けなければいけないのですが、ここではSBU (Strategic Business Unit)ごとの経営戦略について取り扱っています。SBUとはある会社における戦略的な事業の1つのことで、大きな会社になるほどこの数は増えていくことが多いです。SBUは社内の資源を効率的に使用するために分けられるビジネス単位と考えてください。

このSBUには主に2つの戦略があります。1つはGeneric Strategies(基本戦略)、もう1つがInteractive Strategies(インタラクティブ戦略)です。

 

基本戦略はコスト・リーダーシップ、差別化、集中戦略の3つがあります。図ではこんな感じで表されます。

photo by www.slideshare.net

またこれらの戦略は基本ミックスされて行われるのですが、以下に示されるStrategy ClockのうちHybrid Strategies戦略をとってるSBUほどマーケットシェアに成功しやすく、Non-competitive strategiesに含まれるSBUほど失敗しやすいそうです。

photo by www.slideshare.net

 

ここまでの話はSBUだけでの話ですが、実際のビジネスでは競合がいます。

競合企業も同じように基本戦略のいずれかをとってくるため、SBUは競合の動きをみながらどの戦略を取るのがベストか考える必要があるわけです。

 

このように競合を考慮に入れた戦略策定をInteractive Strategies(インタラクティブ戦略)と言います。

これにも主に2つの種類があって、1つはInteractive price and quality strategies(価格品質戦略)、もう1つがCooperative strategy(協力戦略)です。

価格品質戦略はいたって簡単で、価格と品質をどれくらい重視するかということです。この時以下に示される図のラインが価格と品質の適正バランスと呼ばれており、そこに位置しないと失敗する可能性が高いと言われています。

photo by www.slideshare.net

この場合、Uは論外ですね。Lはコスト・リーダーシップ、Dは差別化戦略といったところでしょう。この図が表しているように、もしある1つの企業が価格を下げたり品質を上げたりした場合、そこに追いつく必要があります。なぜなら適正バランスから外れ、消費者の目に入らなくなるからです。

 

ここまで競争的戦略を取り扱って来ましたが、最後に扱う協力戦略はまるで違います。価格競争を始め、同産業内での過激な競争は時として共倒れを引き起こします。この協力戦略は、同じ産業内で協力し合い、お互いにメリットをもたらすような戦略を取るという内容です。以下の図がそれにあたります。

photo by www.slideshare.net

これを見ると、左側SupplierとRival A、Bは協力関係にありますね。もちろんデメリットもありますが、協力することによって要求するものの標準化、コストカットをもたらし、誰もがより効率的に事業を行うことができます。例えばマクドナルドとバーガーキングが同じバンズを必要としてたらSupplier的にはより多くのバンズを生産してコストカットも図れるってことです。

思ったより長くなりましたがここまでが基本的な経営戦略です。

 

第5章:企業戦略と多様化|Corporate strategy and Diversification


企業戦略とは経営戦略に比べてより企業全体でのレベル、つまりSBUではなくその集合体としての戦略を考えていくイメージです。特に大企業では様々な事業があるため、企業戦略は全体の方向性を示すためにも非常に重要です。主にStrategy Direction(戦略の方向性)Diversifictation Drivers(多様化の要因)Vertical Integration(垂直水平統合)Value Creation and the corporate parent(付加価値創造)The BCG matrix(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)がその内容でした。

 

Strategy Directionでは以下の4つの図に示されたうち、どこに焦点を当てていくかという内容です。

photo by www.slideshare.net

Aでは既存のマーケットに対し既存の製品、サービスで市場占有率を上げて行こうというもの。Bは新たな製品、サービスで既存の市場占有率を上げて行こうというもの。もうわかる通りCは新たな市場に対して既存の製品。サービスを導入。Dは完全に新たな道を切り開くイメージです。規模の経済や経験曲線はAで生きてきますが、もう限界が見える場合はBやDに移行していくのも企業のスコープを広げる意味ではいいでしょう。

 

続くDiversification Driversですが、多様化の要因は付加価値の創造にあり、その具体例がいくつかあげられています。例えば、もし企業がうまくいかせていない資源を持っているとしたら、新たな事業を始めることで価値のなかったものから価値のあるものになるよね、といったことです。より具体的な例として大学の大講義室があげられています。普段は講義のために使う場所でも、休み期間中は授業がないため価値がありません。そこで講義室を会議室として使ったり大学観光として使ったりできます。他にも色々な価値創造がありますが、このような要領でビジネスでも考えてみようと言うのがこの考え方です。まぁそんな重要ではなさそうなのでここはするっと飛ばしましょう。

 

垂直/水平統合はよく耳にすると思いますが、垂直統合は商品・サービス供給に必要な工程の範囲を広げること、水平統合は特定の工程を担う複数の企業が一体化することです。自動車会社の垂直/水平統合はよく聞きますね。

photo by www.shareslide.net

 

続いてValue Creation and the corporate parent。これは親会社によって付加価値創造が行われたり、逆に喪失されたりする場合があることが述べられています。具体的に親会社による付加価値創造が行われる5つの行動として①ビジョン共有 ②シナジーの創出 ③コーチング ④資源共有⑤介入です。まぁざっくりしてますが、SBUをより巻き込み効率的に動かすために密なコミュニケーションが必要ですよ、ということでしょう。一方で価値喪失を促してしまう行動として①マネジメントコスト②官僚的文化の形成③不明瞭な決算報告があげられています。これは大きくなるが故の副作用というやつですね。

そして多くの企業は、その親会社のあり方としてPortfolio Manager、Synergy Manager、Parental Managerの3つのタイプに分かれます。

photo by www.shareslide.net

Portfolioタイプはとにかく様々なSBUに投資を行ったり、価値の低い事業を売却するなどして資産運用をしていくタイプです。そのためSBU同士の関連性はあまりなく、ひたすら親会社による投資が鍵となっていきます。

SynergyタイプはSBU同士のシナジーが生まれるようそれぞれの事業を管理していくタイプです。

最後のParentalタイプは親会社が特別強みとしている何かをそれぞれのSBUに共有していくタイプです。

 

さてこの章最後のThe BCG matrix(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)ですが、おそらくみなさん知っているであろうあの図です。

photo by www.slideshare.net

これは主にSBUがどのような市場(成長or衰退)の中でどれだけ市場占有率をほこっているかマトリックス化したものです。こうすることで様々なニーズやその企業が持つ潜在的機会を可視化できます。

 

以上、経営戦略(前章)と企業戦略を知ることで、大体の企業の戦略は網羅することができると思います。

 

第6章:国際戦略|International Strategy


さてここからはより特定の状況の話になります。まずは国際戦略です。この単元はInternational Business Departmentの我が身としてはしっかり習熟したいところです。

国際戦略の考え方としては、国際化の要因(Internationalization drivers)と企業が持つ地理的強み(Geographic sources of advantages)から国際戦略の方向性を見出し、その後マーケット選択(Market Selection)進出方法(Entry Mode)を考えます。立教国際経営の人は2年生のESPで習うところですね。

 

まず初めに国際化の要因についてです。ここではYipのGlobalization frameworkが紹介されていますが、これは国際戦略を考える上での4つの要因を図式化したものです。

photo by www.slideshare.net

主に要因となるのは①市場②政府③コスト④競合の4つですね。もちろんその時々でどの要素の重要度が高いかとかは変わってきます。

 

続いて地理的要因に基づく強みについて。ここではストラテジック・ケイパビリティに基づいた持続可能な強みを考えていく必要があります。基本的にどこかの国へ進出するときは、コネクションを作ったり競合を調べたりと、何かと不利なことが多いです。よって、国際化を狙う企業は現地の企業も持つ強みとはまた一線を画す強みが必要になります。

この際指標となるのが、企業自身が持つ製品・サービスの強みと、地理的強みの2つです。そして”コストカット”という面においてこの地理的強みは非常に重要だそうです。

主に2つの考え方があります。1つはPoter’s Diamondと呼ばれる地理的強みを考える上での4つの要素、そしてもう1つがインターナショナル・バリュー・システムです。

 

まずはポーターのPoter’s Diamondから企業が持つ地理的強みについて考えていきます。このフレームワークは、企業がどの程度自分の国で持っていた強みを他で発揮できるか考えるのに役立つそうです。

photo by www.researchgate.net

上の図で示されるように、現地の生産、需要、関係する産業の環境、企業の戦略がそれぞれ相互に関係しあっており、これらを元にして、企業がもともと持つ強みのうちどれがコンペティティブ・アドバンテージになるかを考えていくようです。

 

一方でインターナショナル・バリュー・システムでは、企業が国際化する上で持つべき強みについて述べられています。これは主にコスト、独自性、ブランド力が物を言います。コストや独自性は明らかですが、ブランド力もかなり重要です。教科書ではギターの例が紹介されています。アメリカのギター会社が韓国の会社の元でギターを売りはじめるという状況があったそうですが、韓国の会社にもかかわらずMade in USAで売られるそうです。それはアメリカが持つギターの歴史が世界的に見て長く、伝統=ブランド力がある故にそのような形をとっている様子。納得ですね。

 

ここまでの国際化を必要とする要因、そして、製品ではなく地理的な要因によって生まれる強みは、戦略を考える基盤を作っていきます。そこで次に考えるのが所謂国際戦略というやつです。

photo by www.tutor2u.net

これはかなりやったやつではないでしょうか。製品やサービスを効率的に世界へ提供する必要がある場合はGlobal Integrationが高くなり、特別に製品やサービスの現地化が求められる場合はLocal Respinsivenessが高くなります。

これによると、International(=Export)はただ輸出するだけなので現地化や効率化の要求が低い時にとる戦略です。効率化が求められる場合はGlobalとなり、世界全体を1つの市場と見立てて製品・サービスを提供する感じです。IKEAとかまさにそうですね(ちょっと現地かもしてるけど)。一方で現地化が必要になるとMulti-Domesticとなり、各国に生産拠点を置かなければいけなくなります。一番難しいのはTransnationalで、効率化を追求しつつ現地化しなければいけません。さらにこれが今一番世界で求められているということも知っておかなければなりませんね。

 

さて最後に市場進出方法(Entry Mode)を考えていきます。具体的なプロセスとしては、市場の特徴(Market Characteristics)を捉え進出に適切な国を絞り、企業の強み(Competitive Characteristic)を照らし合わせたうえで、最適な市場進出方法(Entry Mode)を考えるという流れです。

市場の特徴は、外部分析で行ったPESTELの中でも特にPES+Lをもとにいくつかの候補地をランク付けして見つけて行くそう。一方で市場自体が魅力的かということに加え、その国が企業と相性がいいかも大事なようです。この時役立つフレームワークがCAGE Framework。これは文化的、行政的、地理的、経済的重要性について見ていくものです。

photo by www.slideshare.net

ここではアメリカと中国の例が比較されていますね。このように先ほどの述べた4つの要素から上記のようないくつかの指標を設け、実際に点数化し、進出すべき国の候補を絞って行きます。

 

一方でこれで終わりではありません。次に、参入候補国の競合と比較して企業の参入が可能かどうか見ていきます。ここでもポーターのFive Forcesが役立ちます。例えばどれほど競合がいるか、参入の障壁はどれほどあるか、などです。ここでは他の要素も加え、市場の魅力度、他の企業の反応とその影響力から見ていきます。

photo by www.slideshare.net

これでいくと、たとえ規模が大きいのは国Aだとしても、ディフェンダーが多くいるため、国Bのほうが参入しやすいと言えます。また、国Cと国Dを比較した場合、同じ市場の魅力度に対し参入のしやすさはCのほうが高いためそちらに軍配が上がります。このようにして、競合を考えながら最適な国を絞り出します。

 

さて最後の最後、Entry Mode(参入方法)です。これはESPでもやったように4つあって、①Exporting(輸出)②Franchising(フランチャイズ)③Joint venture(ジョイント・ベンチャー)④Wholly owned subsidiaries(完全子会社)ですね。実はここに関しては深く言及されておらず、そのあとstaged international expansion(段階的な事業拡大)について説明しています。これは、新たな市場への参入は徐々に拡大して行くべきであると言うもので、最初は輸出やフランチャイズで投資を抑えながら現地の企業と提携してノウハウを積み、そのあとにジョイント・ベンチャー、さらには完全子会社を作るのが良いとされています。

一方で、近年はインターネットによって中小企業でも簡単に国際化できてしまうこと(TwitterやInstagramなんかはそう)、BRICsを中心とした新興国内の急速な企業の発展位より参入が難しくなっているようです。

 

この章はかなり気合を入れて書きましたが、国際戦略を考える基本は網羅できたのではないかなと思います。残すは「イノベーションと起業」「合併、吸収と提携」、そして「戦略の実行」です。

 

第7章:イノベーションと起業|Innovation and Entrepreneurship


現代社会においてイノベーションは非常に重要だとされています。ここでいうイノベーションの定義としては、技術革新やサービスの仕組み、ビジネスモデルなどの抜本的な革新に加え、実際にそれが現実社会で使われることまで含まれます。つまり、ただの発明だけに過ぎず、いかにしてそれが消費者社会で使われるかがポイントということです。

 

ここではイノベーションというものについて4つの概念が用いられています。それがInnovation sources(イノベーションの源)Innovation Diffusion(普及学)Leadership and response(リーダーシップと対応)Entrepreneurial strategies(起業家戦略)です。この章はざっくり行きます。

 

まずはInnovation Sourcesについて。先ほど述べたように、イノベーションはただのインベンション(発明)より複雑なものだと仮定されております。そこから、イノベーションが起こる考え方として4つの要因が述べられています。1つは技術革新と消費者需要のどちらが原因となってイノベーションを引き起こすのか、2つ目に製品改革(Final Product)と製法改革(Procces)のどちらによって引き起こされたのか、3つ目にオープンイノベーション(他社巻き込み型)かクローズドイノベーション(社外秘型)か、最後に技術革新かビジネスモデル革新かというものです。

 

次にInnovation Diffusionについて。これはどのようにイノベーションが消費者に普及していくかということです。ここには2つの考え方があります。1つは供給と需要が起因して起こるペースの問題、もう1つはイノベーションによくあるSカーブパターンです。Sカーブは以下のグラフのようになっています。

photo by www.slideshare.net

 

3つ目はInnovators and Followersという、イノベーションをリードすべきかおってくべきかという項目について。主にfirst-mover advantagesにまつわることですね。主に、市場独占的な利点は大きいですが、生産者視点でみると後発の企業にいいところだけ真似されるというのが欠点としてあげられています。そこで議論となっているのがfast second strategy。これは2番目になるというわけではなく、先発組の後にすぐ真似するということ。市場が熟される前、だけど先発組が試行錯誤しているところを見計らっていくということですね。AmazonのKindleなんかはSonyがeReaderというものを出したその1年後に出すことでうまくやってのけています。そして最後に現存する企業はどのように対応するのかについて。ここではDisruptive Innovation(破壊的イノベーション)の重要性が述べられており、現存企業は今の経営に満足していても、たとえイノベーションについていくためにコストがかかったりしても、それについていくべきだとされています(表参照)。

photo by www.slideshare.net

例えば音楽業界なんかはまさにそれで、多くのレコードショップはSpotifyを始めとした音楽ストリーミング配信サービスについていけなくなりましたね。これは現存する小売店やアーティストとの関係もありますし、そのほうがその時点では売り上げとしてよかったからです。

 

最後に起業家戦略について。ここでは、ベンチャー企業は、エンタープレナー・ライフ・サイクル(表参照)をもとにどのような戦略を取るべきかについて述べられています。

photo by www.slideshare.net

つまりスタートアップから成長し過渡期を迎え、そこでどのような戦略のもとベンチャー企業という枠から抜け出すかということ。Instagramの場合はFacebookに明け渡すことで終わっています。またベンチャー企業における問題として資源不足などもあります。

 

次の章では「合併、吸収と提携」といった戦略についてです。

 

第8章:合併、吸収と提携|Mergers, Acquisitions and Alliances


さてこの章では「合併、吸収と提携」について。実はこの章、これまで扱ってきた戦略に基づいて具体的に行うべき行動を上記3つのこととして説明しています(以下図参照)。

photo by www.slideshare.net

 

まずはOrganic development。これは単純にその企業自身で戦略を実行するというもの。全て自身のキャパでやるため時間とリスクが伴いますが、成功した時のリターンは大きいです。またAmazonのKindleは完全Amazonだけによって行われた戦略ですが、これはもはや新たな事業であったためCorporate entrepreneurshipとも呼ばれています。このことは企業に新しい風を吹かせ、新たな事業を実行する風潮を生みだすため効果的だとも言われているみたいです。

 

次に紹介されているのはM&A。目的達成を早めるのに有効です。ちなみにMerger(合併)はある2つの企業が新たな会社を立ち上げるために一緒になること、Acquisition(吸収)はある会社が別の会社をお金を出して一緒にすることです。M&Aを行う理由には主に財政的理由とマネジメント的理由の2つがあるそうです。実際のプロセスとしては、戦略的/マネジメント的に合致できるかという判断軸から候補企業を選び、その後交渉に入ります。ここでは友好的な関係を築くためにPaybuck Period(回収期間)、DCF(収益資産の評価の1つ)など具体的な金銭面における合意の方法が述べられています。合意が取れたらそこで統合です。具体的にはどれだけお互いのリソースを生かし、どれだけ自主権を残すのかというところです。これについては以下の表を参照してください。

photo by www.shareslide.net

 

M&Aは完全に会社の所有権が変わるのに対し、Alliances(提携)はそうではない場合があります。業務提携では2社以上の組織がそれぞれのリソースをシェアし共通の目的を達成する際に行われます。主に2つの提携方法があり、1つはEquity alliancesと呼ばれ、joint ventureなどがそれにあたります。もう1つのNon-Equity alliancesはフランチャイズやライセンスなどがそれにあたります。実際の提携の仕方としては以下の図のように4つあります。

photo by slideplayer.com

Scale alliancesはAもBも同じくらいのキャパシティを持っていてある目的達成のためには両者の協力が不可欠な場合に行われるパターン。その右のAccess alliancesはAが目的達成のためにBを必要とする場合におきます。国際戦略でローカライズしたいときとかは進出する国の流通業者とかと協力しますよね。それが当てはまります。次にその下にあるComplementary alliance。これは完全に全リソースをかけながら業務提携するというより、お互いの弱みを埋めるために持ってるリソースの一部を使いながら協力するというもの。そして最後左下はCollusive allianceといい、カルテルと同じです。つまり、違法。

あとはM&Aの時のようにプロセスを進めていくのみ。具体的には以下の図に縮尺されます。

photo by slideplayer.com

 

さてこれでようやく全ての戦略に関する章が終わりました。最後に戦略決定後のアクションプランです。

 

第9章:戦略の実行|Strategy in Action


戦略の実行には、Structure(構造)System(仕組み)Leading Strategic Change(主にリーダーシップ)という3つの要素が絡んできます。かなり石川ゼミの内容です。まずはStructureから。

 

Structureには3種類あり、functional(官僚化)、divisional(部門化)そしてmatrix(マトリックス化)です。functionalはいわゆる官僚制。効率的だけど自分の役割しかできなくなるやつですね。部門化は官僚制のデメリットを少しでも解消するために専門家を一箇所に集めたものです。そして最後のマトリックス構造は指揮系統を破壊し、二重の指揮系統にすることで部門化が持つデメリットを解消しています。

 

続いてSystemではPlanning system、Cultural system、Performance targeting systemsの3つの要素があります。Planning systemでは主に金銭面と人材面におけるインプットについての仕組みを考えて行きます。Cultural systemでは採用、社会化、報酬制度について。最後のPerformanceはKPIなどをもとにした企業のアウトプットの評価についてです。それぞれのセクションの詳細は割愛させてください。

また構造と仕組みを理解するためのフレームワークとしてマッキンゼーの7sが紹介されているので、以下の図を参照してください。

photo by www.sketchbubble.com

 

章の最後にリーダーシップについての言及があります。主にトップマネジメントは将来のビジョンや戦略について語り、ミドル層はトップへの助言、戦略の具体的理解と、消費者との関係を良好に築くことが重要だとされています。またリーダーシップの4つのスタイル(指示、支援、参加、達成志向)についての言及も。まさにゼミの内容をこの1章に凝縮した感じです…笑

 

本当に長かったですが、以上が授業の内容のまとめです。

こんなに長く書いたのも、けっこう重要なことが多かったので見返しやすいようにしておきたかったのと、あまり授業に身が入らなかった授業ゆえにもう一度復習したいと思ったからです。けど最後の3章は疲れてしまって読み込みが浅くなったので、時間があるときにやり返そうかなと思います。

見てる人いないと思いますがお付き合いありがとうございました(笑)何か違っていたら報告ください。

 

 



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